7.20 19:00

明治安田J1 第24節 vs. アルビレックス新潟
AWAYデンカビッグスワンスタジアム

試合終了

アルビレックス新潟 新潟
0
2
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
1
0
後半
1

試合の見どころ

 上位追撃へ、負けられない一戦だ。2週間前に行われた前節・岡山戦の勝利で連敗を『2』で止めた5位・広島は、首位・柏との勝点差が『5』とまだまだ射程内。今節を終えると、リーグは約3週間の中断期間に入るが、ここで勝って終われば8月に再開される真夏のリーグ戦はより面白さが増す。昨年8月の広島は、リーグ戦5戦全勝と夏に圧巻の強さを示した。今年もまずは明日の試合に勝利し、夏本番となる来月への戦いに備えたいところだ。
 ただし、今節は広島にとってここ近年で一番の“難敵”と言えるかもしれない。ミヒャエル・スキッベ監督が就任して以降、新潟との対戦成績はまさかの2分3敗。2023年に2敗、昨年に2引き分け、そして今年4月の前回対戦は0-1の敗戦である。5-2で勝利した16日(水)の天皇杯3回戦・藤枝戦後には、スキッベ監督も「一度でいいから新潟には勝ちたいと思っています」と会見で漏らした。現在の新潟は、19位と降格圏に沈んでいるだけでなく、6月に主力の小見洋太が柏へ完全移籍したのを皮切りに、7月に入ってからも稲村隼翔、宮本英治、太田修介と次々と他クラブへ籍を移したが、柏のドリブラー・島村拓弥やC大阪からDF舩木翔などを獲得し、クラブとしても素早く手を打っている。16日の天皇杯3回戦では、東洋大に1-2で敗戦。なかなかうまくいっていない印象に移るが、だからこそ、広島戦では新加入選手の力も加えて、より集中力高く、大きなパワーを注いでくるのは必至だ。
 サンフレッチェの勝利のポイントは、やはり新潟のポゼッション封じとなる。「藤枝と同じくボールを握ってくるチーム」とスキッベ監督も相手を分析するとおり、新潟は最終ラインから狙いを持ったビルドアップで相手のプレスを外し、前線では細かなコンビネーションで攻め込んでくるチームだ。ならば、広島の武器であるハイプレスがハマれば主導権を握れるが、藤枝戦の前半のように、ハマらなかった場合は戦いが難しくなる。広島としては、前半からいかにプレスを機能させられるかは大きな焦点だ。
 日本代表で5得点を奪ったジャーメイン良を筆頭に、選出された6人はそれぞれ自信や悔しさなど、いろんな思いを持ってチームに合流する。彼らのパワーも生かしながら、広島らしいアグレッシブな戦いで新潟を撃破したいところだ。

監督 試合前日コメント

──天皇杯・藤枝戦から中3日の試合となります。今日の選手たちの状態はいかがでしょうか?
「良い状態にあると思います。今日のトレーニングを見た感じもすごく良かったですし、しっかり回復できていると思っています。明日は3ポイントを取りたいと思います」

──新潟はメンバーも入れ替わっていますが、今のチーム状況をどう見ていますか?
「良いサッカーをやるチームです。誰が出ようがボールを繋いでくるサッカーをしてきますし、やり方としても本当に良いサッカーだと思っています」

──日本代表選手は良い刺激を持って合流したことで、チームにも新たな刺激が入るのでは?
「彼ら自身、自信を持って帰ってきていると思います。サンフレッチェを代表して、日本代表で良いプレーをしてくれたのは、我々にとっても良かったですし、彼らも自信を掴んだと思います」

──特にジャーメイン良選手は吹っ切れたのでは?
「彼自身がここまでチームで見せてきたパフォーマンスには満足している部分はあります。また、天皇杯の藤枝戦では、5人の選手が点を取りましたし、いろんな選手が点を取れる形になってきました。シーズン最初のほうは、ジャーメインばかりになっていましたが、そうではなくなってきた。バリエーション豊富に戦えるのではないかと思っています」

ゲームレポート

 スキッベ広島がようやく難関を突破した。
 いきなり試合を動かしたのは広島だった。アグレッシブな入りで相手を攻め立てると、開始わずか2分、ジャーメイン良のシュートが相手DFに当たって左サイドに流れると、これを東俊希が詰めて先制。苦手としている新潟に対し、いきなり先制に成功した。
 その後も新潟のスタイルである後方からのポゼッションを前からのプレスで封じ込めた広島が相手陣地へ押し込んでサッカーを展開。果敢にジャーメインがシュートを放つだけでなく、11分に相手のボールを奪った中村草太のショートカウンターから木下康介が決定機を迎えれば、14分にはCKから中野就斗のクロスバー直撃のヘディングシュートが出るなど、いつ2点目が生まれてもおかしくない一方的な展開となった。
 だが、やはり好機をモノにできなければ、サッカーの流れはガラリと変わる。飲水タイムを終えた25分過ぎから攻撃のリズムが出なくなると、次第に新潟ペースへ。ボールを持っても効果的な攻撃を繰り出せず、反対に新潟のコンビネーションを生かした鋭い攻撃を浴びるようになった。小野裕二を起点とした攻撃や奥村仁、笠井佳祐らの突破から何度か危ない場面を作られたが、GK大迫敬介を中心にDFも最後の最後で体を張ってしのぎ、前半を1-0でリードして終えた。
「時間が経つにつれて雑になっていった。もっと丁寧にボールを動かしていこう」
 ハーフタイム、途中から流れが悪くなった展開に修正の指示を送ったミヒャエル・スキッベ監督。すると、前半同様に開始直後の前への圧力で貴重な2点目を奪ってみせた。48分、ボランチ・田中聡が前線へ飛び出してクロスを送ると、ジャーメインから中野へと繋がり、背番号15のシュートのこぼれ球を木下が決めて2-0。広島にとって大きな追加点となった。
 その後は互いにチャンスを作り出す一進一退の攻防のなか、広島は追加点こそ奪えなかったが、新潟にも得点を与えずそのまま勝利。スキッベ監督が就任して以降、2分3敗と一度も勝てなかった新潟に対し、6試合目でついに“初勝利”を挙げた。

監督 試合後コメント

はじめに、このスタジアムの雰囲気を作ってくれた全てのファン・サポーターの皆様に感謝を申し上げたいです。もちろんサンフレッチェ広島ファミリーの皆様が大きなサポートをしてくれましたし、アルビレックス新潟のファンの方々と共に最後の最後まで作っていただいた、良い雰囲気のなかでサッカーができました。
試合内容は、前後半通じて非常に支配的な良いプレーができたと思います。前半の最初の15分から20分は、多くの得点チャンスがありました。一方相手の新潟もカウンターから2、3度決定的なチャンスを作りました。
後半に関しては、全体的により良いプレーができました。集中して前からプレッシャーをかけることができ、相手をゴールから遠ざけることができました。それでも新潟は2、3回チャンスを作りましたが、我々も後半に多くの良いチャンスを作り、3点目や4点目を取れてもおかしくありませんでした。
新潟はコンビネーションがうまくボール扱いも非常に優れているためやりにくい相手でした。しかし、(就任以降)初めて勝つことができて、本当に嬉しく思います。

──支配的だった立ち上がりから少し失速したようにも思えた。試合をどのように評価しているか。
前半の最初の時間帯は、本当に狙いを持ったプレーができていました。裏へ抜けるプレーも効果的でした。ただ、時間の経過とともに、闇雲になったり、少し精度を欠いた攻撃が増えてしまった部分があります。それによって、相手がペースを握ることができたと思います。後半そこをもう一度修正して入り、早い段階で点を取れたことが本当に良かったと思っています。

──田中聡選手が素晴らしいプレーを見せていた。どのように評価しているか。
聡もそうですけれども、中盤でコンビを組んだ(川辺)駿に関しても、本当に素晴らしかったと思っています。ボールを奪うところはもちろん、そこからボールをつなぐところ、そして裏に抜けるところでも、彼らが本当に素晴らしかったと思います。

──前半、特に左サイドのポケットを獲ったところからチャンスがたくさん生まれた。狙いを持っていたのか?
(チャンスが)左サイド寄りになったのは、(中村)草太が絡んでいるからだと思っています。ソウタは裏に抜けるプレーを得意としている選手ですし、そこが今日は効果的にいったと思います。そこに、(東)俊希や駿、そして(佐々木)翔からボールが出たシーンがたくさん見られたからだと思います。

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は新潟でのゲームとなりましたが、約1,500名もの方にお越しいただきました。皆様の力強い後押しが選手の大きな力になりました。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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